情シスアンケート調査にトライし、想定と違う結果になった話④
阿部 晴佳

みなさんこんにちは。
最近、猿人では業務効率化を推進するために、社員が自主的に立ち上げた委員会が活発に動いています。
普段の業務ではあまり関わる機会の少ないメンバー同士が集まり、意見を交わすことで、自分では思いつかなかったアイデアが生まれるだけでなく、業務での関わりが少ないからこそ、お互いの仕事への取り組み方や姿勢を垣間見ることができ、とても有意義な時間になっています。
いつか、これらの「委員会」についてもブログでご紹介できればと思います。
さて、本ブログでは猿人×翔泳社で実施した「情シスアンケート調査」の結果についてシリーズでお届けしています。
前回はこちら:
シリーズ第4回となる本日は「イベントの開催時期・時間、懇親会に求めるもの」について掘り下げていきます。
ブログの最後には、アンケート調査結果レポートと調査結果をもとにした対談記事のリンクを貼っていますので、ぜひチェックしてみてください。
1.イベントの開催に最適な「時期」と「時間帯」
下記は、イベントへ「参加しやすい時期」と「参加しやすい時間帯」についての回答結果です。
この設問は、普段のお仕事でクライアントからイベントの開催時期や時間帯について頻繁にご相談をいただくという背景から設定しました。
この回答結果から言えることは2つあります。
1つ目は、開催時期に「こだわりのない参加者が多い」ということです。(55.6%)
IT業界のイベントといえば、圧倒的に春と秋が多い印象でしたが、4月~6月 (27.8%)、10月~12月 (18.5%) と回答した人よりも、時期にこだわらないと回答した人の方が多い結果となりました。
もちろん、次年度予算を見越した営業的観点、競合他社のイベント開催動向など、開催時期をジャッジするための判断材料は多々あるかと思いますが、少なくとも参加者の視点では、あまり理に適ったものではないかもしれません。
前回の記事でもご紹介した通り、イベントに参加する決め手となるのは「テーマ」であったことを考えると、自社がお客様にもっとも魅力的なテーマとコンテンツを提供できるタイミングこそが、最も適した開催時期と言えるのではないでしょうか。
2つ目は、開催時間帯は「ビジネスタイム(PM)」が好ましいということです。
セミナーのプランをする時に必ず一度は議題に上がるのが、「午前からやった方がいいか?」「午後からやった方がいいか?」というあれ。
参加のしやすい時間帯、という観点では午後のビジネスタイムに軍配が上がりました。
ただ、ここで留意すべきポイントとしては、早朝や夜間のニーズも一定数存在するという事実です。
最近では、Lunch Session だけでなく、Breakfast Roundtable や Leaders Night など、参加者の属性に合わせてあえてニッチな時間帯に設定したイベントも頻繁に開催されているように思います。
なお、この時期や時間帯の質問は自由回答を設けており、「開催時間」に関しては下記の回答がありました。
「業務時間帯」を選択されている方は「業務の一環として参加する」という意識のある方々が多いように見受けられます。
一方で「(顧客)会議のない時間帯」や「土日祝日」と回答される方はおそらく、何らかの役職につかれている方ではないかと推測されます。
ここからイベントの開催時間帯については、ターゲットとなる参加者の属性やイベントのテーマ、コンテンツに合わせて設定すべきということが言えるのではないでしょうか。「誰に」「何を」「どのように」というマーケの基本原則に返ってきましたね。
2.参加者が懇親会に求めるもの
さて、次は、参加してよかったコンテンツとして「懇親会」が選れなかった理由、についての回答結果です。
上記の通りとなりますが「懇親会へ参加しない」理由としては、「拘束時間の長さへの懸念」、「営業されることへの抵抗感」、「何をすれば良いかわからない、という参加意義の喪失」が挙げられています。
この結果については、多くのマーケターの皆さんがどこかで認識はしていても、受け入れがたい内容ではないかと想像します。
なぜなら「懇親会は営業の場として重要視されている」からです。
主催側は、もし自社のイベントにおいて懇親会への参加率に懸念がある場合、参加者の目的と主催企業側の目的のミスマッチが生じていることを認識すべきなのかもしれません。
例えば、まだ社名や製品を認知するアウェアネスフェーズの来場者が多いイベントで懇親会を開催した場合と、既存顧客の中である程度自社を理解・検討しているお客様が来場者ターゲットとなるイベントで懇親会をする場合を比較してみると、後者の方が主催側と来場者側のニーズがマッチしますよね。
また、このアンケート回答のようなミスマッチを回避するために「参加したいと思える懇親会の内容」についても聞いてみたところ、下記の結果でした。
上記を考慮すると、改善策としては下記のような点が挙げられるかと思います。
改善策
- 主催社への相談コーナーを設置する
- 懇親会への出入りを自由にする
- ホストによるアテンドを行う
- 開催時間の短縮する
- 懇親会の開催目的を明確化する
これら全てを実施することは、容易ではないと思います。
しかしながら、
- 懇親会の目的を明確にし、参加者にとって有益な情報や体験を提供する
- 参加者の負担を軽減し、気軽に参加できる雰囲気作り
といったように「参加者のニーズに合わせたイベント」であることを初期の段階から提示することが、これからのイベントの開催においては重要と言えるのではないでしょうか。
さて、今日も長くなってしまいましたので、今回はここまでとさせていただきます。
次回は「情報収集の手段がイベントではなく、広告からとなる人の行動」について掘り下げていきたいと思います!
次回もお楽しみに!
おまけ:翔泳社にて掲載中の調査レポートと対談記事はこちら
現在、調査レポートは MarkeZine にて公開されておりますので気になる方は下記よりダウンロードくださいませ。
また調査結果の内容について MarkeZine Day のイベント担当の方と土谷・阿久津による対談記事も絶賛公開中となりますのでこちらもぜひご一読ください。
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