2020年12月1日に第5回目となる討論会型オンラインセミナー「座組」を『コロナ禍の新製品開発~量産のリアル 全天球カメラの生みの親が挑んだ軌跡に学ぶ「変化」の肝』と題し開催しました。
株式会社リコーからカーブアウトという形で設立されたベクノス株式会社の代表取締役CEO 生方 秀直氏をお招きし、ベクノスが直面したコロナ禍でのものづくりのリアルを語っていただきました。
台湾の設計チームや中国の工場との行き来ができず、実際に現物を見ながら顔を付き合わせてものを作るという従来のやり方ができない中、リモートで設計から生産ラインの構築、量産まで漕ぎ着けた過程には、WEB会議やさまざまなデジタルツールを活用しながらも、手に取って細かな部分を詰めていく昔から変わらない価値も大切にする姿勢が垣間見えました。
パネルディスカッションにはものづくりソフトウェアを提供しているオートデスク株式会社からジョン・ウォンジン氏、モバイルワークステーションなど設計業務に欠かせないデバイスを提供しているレノボ・ジャパン合同会社の高木 孝之氏も登壇し、適応力のある組織の特徴、デジタルツールの活用は困難の克服にどう役立ったか、次のイノベーションのためにどうしていくべきか、を議論。
2020年の座組の締めくくりに相応しい示唆に富んだディスカッションとなりました。
【第5回座組のダイジェスト版動画を2021/2/28まで期間限定公開中】
*ダイジェストの公開は終了しました
過去開催のおさらい ―――――――――――
座組とは? ※公開が終了いたしました
第1回開催レポート
第2回開催レポート
第3回開催レポート
第4回開催レポート
徐々に難しさを増す集客
さて、今回の座組は主なターゲットを製造業に絞ってテーマ設定や集客を行いました。2020年、脱ハンコやWEB会議などの大注目のソリューションを始め、リモートワークや働き方改革、生産性向上を謳う様々なサービスに関連したオンラインイベントが数多く開催されていたと思います。
そうしたソリューションは時節柄関心も高かったことと、製品も物理的なモノではないためオンラインで紹介しやすく、イベントの集客もしやすかったのではないでしょうか?
座組も8月の働き方改革をテーマにした「ニューノーマルな働き方へようこそ。」は驚きの集客数を記録し、このテーマの関心の高さが伺えました。
一方で、猿人でも設計製造ソリューション展や自動車業界の展示会などを多く支援していましたが、そうした業界では業界全体が停滞気味でオンラインでのマーケティング活動やイベント開催は苦戦していたように感じます。
今回の座組も主に製造業セグメントで業界メディアのデータベースへの集客、バナー広告などを実施しましたが、他の座組と比べて、圧倒的にCPAが高く付いてしまいました。
これは業界の特徴というだけでなく、オンライン施策が秋頃から加速度的に増えた結果、そもそもオンライン施策のCPLも徐々に上がってきていることが一因のようです。
さらに、世の中全体の情報が飽和状態になり、集客の難易度が増しているように感じます。
座組の全5回のCPAや集客の変遷
7月から大体月1回開催で継続してきた座組の各回の集客や歩留まりは下記のようになっています。
座組の集客はクライアントワークに活かすための実証実験も兼ね、様々なメディアと組んでいるため、都度利用しているメディアが異なりますが、CPAが徐々に上がってきているのが見て取れます。
仕事柄、猿人のメンバーは日経やITメディアを始め、数多くのIT系メディアのメルマガを購読していますが、メールボックスを綺麗にして仕事を終えても、翌朝の業務開始時には100件近くのメルマガで埋め尽くされるような状況です。
おそらくマーケティングに関わっている皆様も同じような状況ではないかと思います。
2020年秋以降、主要なメディアのメルマガ配信枠は早くから完売されたり、特別枠が用意されたりなど、非常に多くのメルマガが配信されていました。
また、BtoC領域で一消費者としては追跡されていることを日々体感していたDSPなどを活用したターゲティング広告もBtoB領域で広く活用されるようになってきました。
※私のSNSやディスプレイ広告はセミナーやクライアントの競合製品などの広告だらけです(笑)
2021年は改めてContent is Kingの年になるか
もはやリード獲得件数保証メニューも目標値を達成するのが非常に困難な状況になってきています。
この状況は2021年もしばらく続くことが予想されるでしょう。
目玉になるイベントを用意し、既存のハウスリストとメディアのデータベースにアプローチするありきたりな方法は確実に苦戦を強いられます。
BtoBマーケティング、特にイベント担当の役割としては主にデマンドジェンを中心にされてる方が多いように思いますが、簡単にデータを取得できるサービスがなくなってきている以上、ブランディング、Thought Leadership、オウンドメディアなど様々な施策を総合的に見て地道にアウェアネスを拡大するという、ある意味当たり前なことを継続することが必要になると感じています。
座組は猿人自らがコンテンツを企画する初の取り組みでしたが、改めて2021年のBtoBマーケティングは「Content is King」を踏まえた活動が必要になる予感がします。
座組設立のコンセプトでもある
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視聴者(情報を求めるヒトや企業)の業種、職種における課題や関心をセグメントしてテーマ設定し、そのテーマに対して有識者やパネリスト(支援できるソリューションを持つ企業)が解決策や方向性を見出す
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もまさにこの考え方の上に立っていますが、今ほど本当に各企業が「困っている」状況というのは後にも先にももう来ないかもしれません。
真に市場が欲する情報やソリューションを提供することができるかどうか。
座組を通してここに取り組んでいくとともに、猿人本来のビジネスでも、お客様とともに取り組んでいきたいと思います。