SaaS企業の支援事例~マーケティング戦略の再構築の全貌~

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本事例は、SaaS企業であるC社において、マーケティング担当者が新たに着任したタイミングで、マーケティングプランの策定から実行まで伴走支援した事例です。

担当者と共に課題を認識し、企業理解を深めながら伴走し、単体の施策提案だけでなく、前後の施策、ひいては期毎、年間といった全体を考慮したプランを模索することで強固な信頼関係を築いていきました。

はじめに:依頼背景

C社のマーケティング責任者として着任したAさんは、豊富なマーケティング経験を持ち、これまで代理店を介さず、自分で戦略立案から実行までをこなしてきました。しかし、C社への転職を機に新たなマーケットに挑戦することとなり、これまで担当していた自分の得意領域とは製品・サービスの提供形態を含め、全く異なる領域で活動する必要がありました。

また、社内リソースにも課題を感じていたため、自社のフェーズに合わせてプランニングから実行を補佐してくれる外部パートナーを探すことになりました。そこで、旧知のメディア担当者に現状を相談し、紹介を受けた猿人が伴走支援をすることになりました。

戦略方針のすり合わせと軌道修正

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まず最初にAさんと猿人が行ったのは、C社の製品・サービス、過去実績、方針・戦略・ターゲットについての確認作業でした。この作業を通じて、C社の全体像の把握をし、マーケティング戦略の基盤を築いていきます。

具体的には、Aさんから猿人に対して自社のオリエンテーションを行い、その内容から猿人が感じたC社のターゲット像をフィードバック、設定されていたターゲット像とオリエンテーション内容とのギャップを埋めていきました。これにより、Aさんはターゲット像の明確化、猿人は顧客理解を深めていきます。

それまでC社では、IT企業のシステムエンジニアやクリエイティブ会社のデザイナーと親和性が高いと考えており、Aさんの就任時にもマーケティング戦略としても同業界・職種をターゲットとするように指針が出ていました。しかし、ここでの戦略の認識合わせを経て、新たなセグメントをターゲットに追加する軌道修正を行うことになりました。

プランニングと施策の具体化から実行

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次に行ったのは具体的なマーケティング施策の検討です。まずは、全体をリードジェネレーションとアウェアネスに分け、年間予算をクオーター毎に再分配しました。そして上半期に実施可能な施策や協賛イベントをリサーチし、期末に軸となるフラグシップイベントを設定、前後でフラグシップに向けたリードジェネレーションやコンテンツ企画をプランに組み込みました。

BtoBでのリードジェネレーション施策では、業界や職種といった条件で分類したセグメントと接点を持つためのコミュニケーションチャネルが決まると、ターゲット層となる読者層が見えてきます。これにより、たとえばメディアの場合は、ターゲット読者層をデータベースに持つ媒体の想定が可能となります。そこから適応するメディアと連携し、時期・テーマ・ターゲットといった内容を考慮しながらメディア企画の協賛イベントや広告企画をプランに落とし込む作業に移っていきます。

ここで重要なポイントは、最終的に期末に設定したフラグシップに向け、各施策でも一貫性のあるテーマで訴求するという点です。メディア企画も重要ですが、全てのメディアにC社のターゲットや戦略を正しく理解してもらい、これを踏まえた提案を得ることが大切です。ここにきて最初の取り組みで行った社内オリエンテーションが活きてきます。

さらに、アウェアネスでは、C社の製品・サービスが新しい概念を提唱するものであったため、市場の認知を確立・獲得するための施策もプランに組み込みました。C社のように新しい概念の製品・サービスをローンチするタイミングや日本市場への参入間もない製品・サービスである場合、まず潜在顧客にその概念やカテゴリーを認識してもらう必要があります。

たとえば、ホワイトペーパー制作では、企画段階で編集者やライターにサービスや製品概要、アピールしたいポイントなどをインプットする場が必要になると思います。少ない施策であれば大きな負担にはなりませんが、これが同時に様々なコンテンツや広告媒体を使用する統合キャンペーンになると、様々なパートナーに何度もインプットする必要があります。

C社では、こうしたパートナーへのインプットに猿人が介入し、サービスカテゴリに関する市場背景、ターゲット像、訴求ポイントを丁寧にすり合わせ、期の後半では構成を練り上げる過程は猿人で担い、C社のチェックは最終承認のみで済むようになっていきました。

組織体制による弊害とその克服

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一見、順調に進んでいたように見えるC社でのマーケティング活動ですが、弊害が全くなかったわけではありません。

C社には製品柄、法人向けのアカウントを担うマーケティングチームとは別に個人向けのアカウントを担うアクイジションチームが存在しており、そのアクイジションチーム内にSEOやデジタル広告の担当者がいる体制でした。本来、マーケティングにて訴求するカテゴリは全社共通で訴求していくべきですが、SEO担当者とマーケティングチームは異なるラインに所属していたため、連携に課題が生じていました。

具体的には、アクイジションチームでは個人レベルでの製品のトライアルアカウントの獲得がKPIとなっており、このチームに属するSEO担当はトライアルアカウントをターゲットとした既知のカテゴリでの訴求が主となっていました。マーケティングチームで確立しようとしていた新しい製品・サービスのカテゴリは、この時点ではカテゴリ自体が認知を得られておらず、対策が難しいため、SEO担当者は対策自体に消極的でした。

しかし、マーケティング施策が軌道に乗り始め、多面的な訴求によりカテゴリが認知され始めると、競合他社が新しいカテゴリのキーワードを自社サイトでも起用し始めました。これにより、アクイジションチームでも新カテゴリでの対策の必要性が認識され、全社で一貫した訴求の展開が実現しました。

実施の裏側:打合せと進行管理

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猿人では、クライアントがコミュニケーションラインを増やす必要がないように、既に業務で利用されているツールや手法を選択します。C社では、各施策の実行フェーズで必要となる細かな話はプロジェクト管理ツール、後から確認をする必要のないその場限りの確認事項等はコミュニケーションツール、それ以外は週次の定例会、といった形で3つのコミュニケーションラインを活用していました。

定例会では、社全体の方針や体制の変更といった大きな話からマーケティングに関するTipsの共有といった猿人にも学びになる話も多くありました。また、毎期キックオフのタイミングでは、関与する協力会社や外部メディアをも定例会に巻き込み、各人の役割とゴールについての全体での合意形成の場としても活用していました。これは、重要なトピックの合意形成で関係者全員が共通理解を持つという目的はもちろん、連絡事項の共有などの間接的な業務を生むことや、人伝いの伝達による理解のギャップが生じることを防ぐ目的があります。

C社社内ステークホルダーに関しても同様であり、マーケティング施策にて講演やインタビューといった形でセールスチームやテクニカルチームから参加してもらう際のコミュニケーションにも参加していきます。これにより、猿人側ではマーケティングチームに確認すべきこととそうでないことが明確となり、マーケティングに関与する他部署メンバーとのコミュニケーションに介入・リードする体制が構築されました。

成功への道のり:猿人のアプローチ

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C社のマーケティング成功事例の背景には、ターゲットの明確化、具体的な施策の計画と実行、組織体制の課題克服など、多岐にわたる取り組みの積み重ねがあります。本事例は、クライアントと共に課題の認識や企業理解を深めつつ伴走し、単体の施策提案だけでなく、前後の施策、ひいては期毎、年間といった全体を考慮して実現可能なプランを模索することでマーケティング担当者との強固な信頼関係を築いた事例です。

猿人では、今後もクライアントの課題に対して最善のサポートを提供し続けることを使命とし、共に成長していくパートナーとしての役割を果たしていきます。

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