大手SIer支援事例~事業部マーケ支援&全社マーケ支援によるシナジー効果~
本事例では、大手SIer B社における、事業部向けのマーケティング支援と全社向けのコーポレートマーケティング支援、さらにはパートナー企業とのコ・マーケティング支援のシナジー事例をご紹介します。
B社はSIerという業態柄、取り扱う製品群が幅広く多岐にわたることから、組織体制として、全社プロモーションの企画及び実行を担うコーポレートマーケティング部と、商材別またはターゲット業界別に組織された事業部門に属するマーケティング部という形で組織が分かれていました。
このため、個別の製品やサービスのプロモーションについては、事業部内のマーケティング担当者が担う体制でした。猿人の仕事はいつでも顧客のビジネス理解からスタートします。部門ごとに扱う製品・ソリューションはもちろん、ターゲットも異なるため、各製品・ソリューションの理解の把握からスタートしていきます。
個別~複数部門のイベント支援からスタート
B社では、それまで各事業部が個別に製品・ソリューションのプロモーション活動を実施していたため、例えば展示会に出展する際にも、事業部ごとにバラバラに出展をしていました。
ある時、自社が持つクラウド関連の複数商材をまとめて訴求するために、IT関連の総合展示会へ出展することが決定しました。複数部署が関わる展示会出展は初体験のB社。この展示会出展において責任者となったメイン担当者は、自部門が扱う製品を開発・販売する外資系ITメーカー X 社のマーケティング担当に「代理店を紹介して欲しい」と相談し、長い間 X 社のマーケティング支援を行っていた猿人を紹介してもらいました。
猿人は出展の目的や期待する成果をヒアリングするとともに、成功に当たっての課題の抽出、KPIの設定、テーマ/コンセプトを提案。そして、これらを達成するためのブースデザインや当日の運営プラン、制作物などを提案しました。また、複数部門が関与するため、各ステークホルダーとの合意形成の場となる社内ミーティングにも猿人が同席し、プロジェクトのリードを行いました。
この出展は成功裏に終わり、以降数年にわたり支援が続きました。また、各事業部が単独で出展する展示会支援や、事業部が主催するセミナーの支援、そして製品紹介動画の制作や導入事例の制作などへと支援スコープが広がっていきます。
全社を巻き込むCxO向け施策の支援へ発展
複数部門の展示会出展を支援する中で、猿人はB社が扱う製品・サービスへの理解を深めるとともに、B社の組織文化やブランディングについても理解を深めることができました。
ある時、コーポレート全体のマーケティングを担当する部署から、B社の上得意先となるCxO向けの施策についての相談を受けます。B社のマーケティング施策の現状や組織文化、取り扱っている製品ポートフォリオ、競合の活動状況などを加味して、クイック&ダーティに6つの施策を提案しました。
この内、まずはひとつめとして、上位顧客向けの完全招待制となるプライベートカンファレンスの開催が採用となりました。次に、B社の先進的な取り組みや業界別の導入事例、業界のトレンド情報などをまとめたコンテンツを制作し、このコンテンツを起点にB社の重要顧客向けの施策に落とし込むコンテンツシンジケーション施策が採用されました。
どちらもB社全体のビジネスに関わる施策であったため、B社の各事業部門を巻きこんだプロジェクトとして進行したことで、猿人のB社理解はさらに深まっていきました。
マーケティング全体を包含した支援へと拡大
コーポレート部門での全社施策の支援により、B社内での猿人の認知が拡大し、新たな部門からの支援依頼が増えていきます。
個別部門の担当者とのコミュニケーションを重視し、部門レベルでの課題把握と検討を繰り返し、一緒に協議しながら最適な解決策を導き出すというプロセスで推進していきます。
実際の打ち手としては、リードジェネレーションを目的としたキャンペーンの企画・実行、ブランド認知と第一想起獲得を目的としたブランド強化企画、リスティング広告やSNS広告などの運用型インターネット広告、サービスサイトの制作とMA/CMSツールの運用、メールマーケティング、ブログコンテンツ制作など多岐に渡ります。
コ・マーケティングの提案:新たな価値の提供
ここまでにB社内での猿人によるマーケティング施策の支援が広がり、施策の領域も拡大したことでより上流となる企画提案の機会が増えていきます。
そこでコ・マーケティングの提案という新しい領域にチャレンジしていきます。ここでいうコ・マーケティングとは、B社とB社が取り扱う製品の開発元ITメーカーとの協業マーケティングを指します。
外資系IT企業のマーケティング支援を長年行っている猿人。B社が取り扱う製品の開発元となる外資系IT企業C社は、猿人のクライアントでもあります。猿人は、両者へ協業マーケティングの提案を行い、実行に際しては2社間のパイプ役として猿人がプロジェクトをリードしていきます。
これによりメーカーであるC社が主催するカンファレンスへのB社の協賛、展示会への共同出展、B社が主催するイベントについてC社が告知を行うなど、様々な共同施策が生まれ、両社にとって費用対効果の高い効率的なプロモーションを行うことができました。
まとめ
この事例では、縦割りの事業部制をとる大手SIerにおいて、事業部マーケとコーポレートマーケの両方を支援することによるシナジー創出、さらには、関係企業との共同施策の実行支援を担うまでに成長した過程を紹介しました。