「自分だったら、こうしてほしい」。クライアントの不安をトコトン想像し猛進する心意気と猿人ナレッジ
MEMBER
マネージャー|シニアディレクター大田 正和(OTA Masakazu)
イベント運営会社を経て猿人に入社。15年の現場経験を武器に、イレギュラーなプロジェクトや思わぬアクシデントにも柔軟に対応するマルチタスクマン。マネージャー|シニアディレクター中牟田 優二(NAKAMUTA Yuji)
クライアントのことをトコトン好きになる。最良のパートナーとして、先の先まで「自分だったらこうしてほしい」を想像し、プロジェクトを成功へ導くハートウォーミングマン。諦めたらゲームセット。どんな丸投げも実現させる。それが猿人の強みです。ところで、過去にはどんな丸投げがあったのか? あらゆる丸投げを実現させる底力はどこに?今回は、千軍万馬、クライアントの不安や課題を全力で解消してきた実行支援エースの2人にインタビュー。クライアントを想うハートフルドラマ、盤石の体制、そして猿人の積年の知恵がありました。
▼目次
目標必達。数字に徹底的にこだわる。成功を裏付けるのは「パートナー企業との共有値」と「長年の経験値」
───今日ここ、冬の軽井沢なんですけど、2人を前にすると、なんかあったかいですねぇ。
コラコラ、どういう意味ですか、それ(笑)。
圧が強いかな? これ会社のホームページですよね、僕らで大丈夫ですか(笑)?
───なんかいい感じに陽が差し込んできたところで(笑)...2人は実行支援という立場で、展示会やセミナーなど、クライアントの「やりたいけど、どうしたらいいかわからない」みたいなことを、どんどん進めるキーマンですが、実際、圧倒的なスピードとタスク量を問われる毎日でもあるはず。どうやって実現まで持っていってますか?
やるべきことをテンプレート化させて、ナレッジとして貯めてあるので、どんな案件にも圧倒的なスピードで応えられるようにしています。クライアントが仕事を頼むってことは、「時間がない」「人がいない」ということがほとんどですからね。
あとは、体制づくりはしっかりおこなっています。自分ひとりでは絶対に回せないので、実現できる体制を早めにつくることが大切だと考えています。
───どんな体制で臨んでいますか?
猿人の場合、展示会やセミナー、カンファレンスからデジタルマーケティングまで案件がさまざまなので、それぞれの分野に強いメンバーをアサインします。得意な人たちとやるので、クライアントからは「安心してお願いできました」「不安なく一緒に案件を進められた」と言ってもらえることが多いです。
たとえば、僕の場合は、僕を含めて3人がブレーンになって、パートナー企業と連携しています。僕が前に出て2人がサポートすることもあれば、見積もりの段階から共有して「金額がこれくらいで、こういう成果を出したいんです!」っていう話からオリエンをして、「じゃあ、この案件を実行するためには、こういうパートナー企業をつけて、こういうタイムラインで」みたいに、僕が全案件を俯瞰しながら、アサインした人たちの進行を管理することもあります。
パートナー企業の方々もイベントや制作の経験が豊富で、それぞれの視点から最適解を打ち返してくれるからいいですよね。
そうですね。イベント案件以外にも制作物や企画書の作成、書籍、E-bookの制作などもあるので、餅は餅屋じゃないですけど、パートナーにはプロの仕事を思いきり発揮できるように、自分はそのためのディレクションに全力を尽くします。それに、猿人はさまざまな方面に対して、それぞれ長けたパートナー企業との“阿吽の呼吸”がたくさんあるので、共有値が積み上がっていて話も早いです。猿人は基本的に「できないことはない」というスタンスなので、それ相応の体制づくりがいつでもできるようになっています。
───チームの関係づくりも然り、クライアントとの関係づくりでは何か意識していることはありますか?
「とにかく仲良くなること」ですね。
うん、いい仕事をしようと思ったら、仲良くなることが欠かせないです。
───そうは言っても、クライアントにもいろんな方がいて千差万別だと思いますが、2人はどうやってクライアントとの関係を構築していますか?
前職がイベント運営会社で、毎日初めて会うスタッフと仕事をしていました。年に何百案件とやってきたので、会話した時の反応やリアクションから、その人がどういう人なのかを脳内でセグメントできます。
え、それはすごいですね!
あと、その頃同僚と毎日飲みに行っていて。そうすると、だんだん話すことがなくなってくるじゃないですか。いつの日からか、2人で相席居酒屋に行くようになって、もう、トークの千本ノックですよ(笑)。
相席居酒屋で千本ノック(笑)。
毎回「はじめまして〜」から始まって、盛り上げたり、話を引き出したりってことを3年くらい続けたら、初めて会う人でも、この人はどういう人か、何を欲しているのかを、歩き方や目線で想像できるようになりました(笑)。相席居酒屋での千本ノックは、今の仕事に活きていますよ。
※役員注:相席屋でのトレーニングは、弊社では推奨していません。
僕たちの仕事は、クライアントに伴走する仕事だから、トコトン想像して、クライアントのことをよく知ることが土台ですよね。アウトプットが苦手な方もいるので、実際言葉として出ている情報のほかに、「本当は頭の中では、このくらいまでやりたいと思っているんだろうなぁ」みたいな部分まで引き出せるように意識しています。
あとは、冗談みたいにメンバーに伝えているんですけど、「クライアントのことを好きになること」をスタートにしています。「この人と付き合うためにはどうしたらいいか」くらいの気持ちで関わることが大切なんです。「自分がしてもらったらうれしいことをクライアントにもする」ということに尽きるかもしれない。
───パートナーともクライアントとも良好な関係を築く。そのために地道に路上の知恵を鍛えてきた感じですね。でも、板挟みになったりコミュニケーションがうまくとれなかったり、苦労することもあるのでは?
パートナーとクライアントの間に立つのは、もともと嫌いじゃないんです。その間を取り持つのが楽しくて、だからこの仕事をやれているのかもしれない。全員が同じ目標に向かって進めるように工夫するのがおもしろくて。
僕はけっこう苦労しました。20代前半は本当にコミュニケーションが苦手で、当時の上司に「営業のセンスないな」って言われてましたから。でも、その言葉が「営業のセンスって何だろう?」って考えるきっかけになって。
顔が怖いと言われるので、じゃあ顔が怖い人はどういう営業をしたらいいんだろうって考えて、大声で笑ってみたり、カワイさを出してみたり。顔が怖いからこそのギャップを営業で活かしました。それからは全部、ギャップ戦略です(笑)。
───パーソナルな話がおもしろすぎて引っ張られちゃいましたけど、実行支援を盤石なものにする猿人流の秘訣というかノウハウみたいなものはありますか?
猿人は過去の案件のログをアーカイブしていて、わからないことがあったら調べられます。先輩後輩でノウハウや現場の経験を話す機会もありますし、長年の経験値やナレッジを会社全体の共有財産にしています。だから、やったことがないことにも対応できる。この仕組みがあるのはとても強いと思います。
あとは、猿人は数字に対するこだわりをめちゃくちゃ持っています。全員が「KPIに必達しないのはありえない」という志で、すべての現場に臨んでいます。本番中の運営がうまく回っていなければ、クライアントが不安を抱く前に気づく。現場の細かな調整もする。なんとしてでもKPIに必達させます。それが信頼の積み重ねになってクライアントからのリピートにつながっていると思います。
───無茶な丸投げやイレギュラーなことに対して、経験値が邪魔をして、KPIを定めにくいこともありませんか?
それはないです。もちろん丸投げは、全部受け止めます。だからこそ、無茶な丸投げだったとしても、課題や目標をしっかり洗い出し、妥当なKPIを決めます。経験値があるから「この展示会でこのくらいのリードを獲得できる」みたいな現実的なKPIをすぐに立てられます。
それでも現場の細かな調整はあります。どうしようもないトラブルが起きたり。そういうところは、15年近く現場を経験しているので、「どんと来い!」です(笑)。
百戦錬磨。「もはや、トラブルくらいないと楽しくない」最適解を即座に決めて、やったことがないことも乗り越える
───長年の経験値があるとはいえ、トレンドもイベントの形式もどんどん変わる中で、はじめての壁にぶち当たることもあるのでは?
そういうことばっかりですよ(笑)。
───時間との戦いでもあるでしょうから、追い詰められるような場面もあったりするんじゃないですか?
RPG(ロール・プレイング・ゲーム)を攻略していく感覚というか、プロジェクトが終わったら「おお、スキルアップしてる...!」みたいな(笑)。失敗があったとしてもネガティブに考えすぎず、良かったことと悪かったこと、じゃあ明日はどうしたらいいか、切り替えて前進します。
たとえば「明日、もう1000件獲得しないとKPI達成しない。さて、どうするか」と壁にぶち当たったとしても、無数にある選択肢を集中して考えて、どうにかする策を愚直に編み出すんです。
たとえば機材トラブルとか、自分たちではどうしようもないトラブルが押し寄せてくることもありますよね。
誤解をおそれずに言うと、全部が全部、計画通りにスムーズにいく現場って滅多になくて、ちょっとトラブルくらいないと、楽しめなくなっちゃってます(笑)。オリエンテーションやリハーサルをして、どんなに万全な体制を整えても、大なり小なり問題があって、そういう時にこそ、どうやって打開するか燃える。
わかります(笑)。
雨が降らなければ万事最高、OKなのに、いざ雨が降り始めると「やれやれ、どうしようか」と、ワクワクしてる自分がいます(笑)。
※役員注:もちろん、トラブルがひとつも起こらないように万全の準備をするのが猿人です。大田さん、おふざけが過ぎます(怒)!
そうなったらなったで、なんとかするしかないですからね。
※役員注:中牟田さんまで...悪ふざけは、やめなさい(笑)。
差し迫った時の解決策はいくつもなくて、できること・できないことの折り合いをつけつつ、「自分で頑張るか」「人に頼むか」「お金を使うか」、最善策を瞬時に見極めるプロとしての対応が試される。窮地を乗り越えていく力が猿人にはあるから、クライアントからも信頼されているんだと思います。
───どんな困難をも打ち破る。その姿勢は大事ですね。とはいえ、緊張感に耐えて大変なことも乗り越えるその原動力は一体どこから来るんですか?
シンプルに猿人の仕事が楽しいんだと思います。クライアントが喜んでくれた瞬間、僕の中で気持ちが充実するんです。その瞬間までの道のりは単純ではなくて、頑張らないとクライアントの要求を満たせない。成功とは言えない。そこに刺激と感動があります。
一緒に動くクライアント担当者だって、常にいろんなプレッシャーと闘ってるわけじゃないですか。僕らの伴走によって成功して、その担当者の成果になって、内部で評価されていると聞いたら、この上ない喜びですよね。
だから当然、僕らの提案がイマイチというリアクションがあれば、それは僕らが改善しないといけないですし、クライアントのためにできることは全部やりたい。
この施策を全力でやったから売上につながって、その売上であんなオフィスが建って...みたいに、クライアントの成長に関われているのが楽しいし、「関われてよかったぁ」と素直に感動しますよね。
実録「200個のToDoリストで一気通貫」成果を見通し、クライアントの不安を解消する推進力
───「これはよくやったなぁ」と印象に残っている案件はありますか?
わりと最近のことなんですが、コンペで勝ったセミナーカンファレンスの企画提案ですね。業界の有名なところがいくつか競合で出ていたんですが、僕らは具体的な案を早い段階から準備していて。キックオフまでの間、少ない時間でしたが、その段階で想像できる限りの想像をして資料をつくりました。ほとんど引いた線のまま、本番まで進んで、予算感もほぼ差異がなく、クライアントにも非常に喜ばれました。
───先を見通した企画だったんですね。具体的には何がクライアントに刺さったのでしょうか?
200個くらいのToDoリストと、当日の運営を想定したマニュアルを提出しました。クライアントはカンファレンスをやったことがなかったので、「僕らに頼めば抜け漏れなく全部やります」というところを、全部洗い出して準備しました。
想像できる限りを尽くして、クライアントの不安を解消できた、良い案件でしたね。しかも、資料もほとんどテコ入れなしで通って、秀逸な仕事だったと社内で噂になっていましたよ。
具体的な何かを出してほしいというヒントだけはあって、「具体的ってなんだろう」ってことを想像して、考えて、具体的なToDoリストとマニュアルに結実させた感じです。本当だったら3〜4人で回す案件だったところ、2人で回せたのも良かったです。
クライアントは、たとえイベント経験があったとしても不安なんですよね。そうなると重要なのは「可視化すること」と「どこまでログを残せるか」だと思ったんです。
とはいえ、やり方は本当にいろいろあるので、やっぱり思うのは、クライアントの課題を明確にして、そこを隅々まで実現できる状態にすることが大事で、中牟田さんの話、クライアントを好きだと思う気持ちの強さって本当に大切ですね。
このToDoリストはラブレターっすね(笑)。